修行

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本日は晴天。ケイトは齢十二を超えた。 「ごめんください。」 「はーい。」 玄関から女性の声が聞こえ、鎚を置くケイト。 「いい、俺が行く。お前は修行しておけ。」 「え?あ、はい。」 珍しく自分が出ると言うカグル。ケイトは不思議そうな顔をするが、すぐに鎚を取って修業に励む。玄関へと歩くカグル。 「何の用だい?」 玄関へと赴いた彼を待っていたのは一人の女性。三十代前半といったところだろうか。 「すみません、こちらにケイトという名の男の子がいると聞いて伺ったのですが…。」 「ふ~ん…。俺は鍛冶師のカグル。あんたは?」 あまり興味の無いような様子で女性に尋ねるカグル。 「あ、はい。私はツバキ。おそらくこちらでお世話になっているケイトの母です。」 予想していたようで、カグルは小さくだろうなと呟く。いつもの無愛想な表情でツバキの顔を見ていたが、呆れたように息を吐き、口を開いた。 「ここに来たあいつは姓を名乗らなかった。五歳のガキのくせに家に戻らない決心をしたんだろう。あいつが家を出た理由はあんたの家にあるんじゃないのか?」 鋭い眼つきでツバキを見るカグル。そう言われてしまうとツバキは言い返せない。ケイトが出て行ったのは彼の父が原因なのだから。 「で、でも、あの子は私の子です!」 ケイトが彼女の知るケイトであるかも定かではないのに、声を荒げるツバキ。七年も音信不通の子を思う気持ちが大きいのだろう。 「決めるのはあいつだ。おい、ケイト!」 ケイトが彼女の探すケイトだと確信しているカグルは奥に向かって声を掛ける。
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