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「…ここは…?」
経一が目を開けたのは白い部屋。家具も白で統一されている。
「なんで!貴方は!ろくに!仕事も!しないのに!私の!仕事を!増やすん!ですかぁ!!」
経一が声のする方に顔を向けると人型の生き物がいる。三人だ。
言葉を切る度に金髪の男に拳を叩きこむ背中に羽の生えた女。
男は何故か全身白タイツだ。
男の方は殴られ過ぎて声が出ていない。時々呻き声が聞こえるだけだ。男は白目を剥いている。
私刑の横で爆笑している男前。灰色の髪と翼。
お、と声をあげて経一に気付く男前。
「おい、ミカエル。そろそろやめな。少年が困ってるぜ。」
すると金髪美人が振り返る。
「これは失礼しました。私はミカエル、最高神様の補佐をしています。」
「俺はルシファー。ルシフェルとかとも呼ばれてる。堕天使だが基本的には、この天界にいるよ。」
ミカエルと自称した女が話し、続けて灰色の男前がルシファーだと名乗る。
「この顔腫らしたやつが最高神な。」
と笑いながら指で示す。
「本当に申し訳ない。」
そこには美しい土下座をする金髪の男。世界には今まで、これほどまでに美しい土下座はあっただろうか。と記憶をほじくり返したくなるほど美しい土下座だ。
「はい?えっと神様、ですか?」
状況がわかっていない経一。
「そう、俺が神だ!あ、ゴメンゴメン。真面目にやるから殴らないで。ミカエル、目が笑ってない。ルシファーは笑うな。」
堂々と自己紹介をしたと思ったら急に弱気になったりと、忙しい神。
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