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「…あー、もう。わかった。うちで遊んでても良いから放してくれ。」
先に折れたのはケイト。さすがに家まで童をつけたまま歩くのは辛い。ケイトの言葉を聞いて我先にと童達はケイトの家へと駆けだす。二人転んだ。転んだ童はケイトと手をつないでゆっくりと歩いて向かう。歩いていると、一人の童が走って戻ってきた。
「ケイちゃん!誰か来てる!」
「すぐ行く!」
少し離れた場所からケイトに大きな声で呼びかけ、それに答える。走って向かわなかった童達と転んだ二人にゆっくり来るように伝え、ケイトは駆けだす。家の前には壮年の女性。体に余計な肉はついておらず、よく鍛えていることが伺える。
「すみません。これほど早くいらっしゃるとは思わなかったもので。」
「いや、こちらこそすまない。直った剣を早く振りたくてな。約束の時間よりもかなり早く来てしまった。」
頭を下げるケイトと嬉しそうな女性。感情が体に収まりきらず、うずうずしているようだ。
「もう直ってますよ。どうぞ、中へ。」
ケイトに促され、女性はいえの中へと入る。童達は遠目で伺っていたが、二人が家に入るや否や戸口までやってきて聞き耳を立てる。
「中に入るのは二度目だが、やはり変わった雰囲気だな。」
「居心地、悪いですか?」
「いや、悪くない。私も家を建てるときがきたら参考にしようか悩んでいるところだ。」
ケイトの家は木や土を基本とした、日本家屋に近い造りになっている。この国には靴で家に上がるという文化があるため、家の中のほとんどの床は土や石を用いてある。
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