鍛冶師ケイト・マクスウェル

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そこにいたのは昨日修理した剣と鍋を持って行った女性ともう一人、顔かたちは違えど、雰囲気が良く似た女性。こちらの女性のほうが少し若いように感じる。警戒心むき出しで剣を構えていたが、ケイトの顔を見て剣を鞘にしまう女性たち。 実際ケイトよりも驚いたはずだ。いくら人が行き来することで獣があまり近寄らないと言っても、森の中の道。危険は十分だ。そんな森で何かが近づく音が聞こえて警戒すれば、茂みから桶を持った大男が飛び出してきたのだ。驚かない方が難しい。というよりも、意味がわからないだろう。 「ああ、紹介しよう。私の妹だ。」 「君とははじめましてだな。リザイア・トマスだ。王宮で近衛隊を務めている。親しい人は私をリズと呼ぶ。よろしくな。」 女性から紹介を受けた妹。要するに騎士の仕事をしているそうだ。そのリザイアの顔を見て不思議そうに首を傾げるケイト。そして口を開く。 「…えっと、はじめましてではないですよね?」 「なに?」 そう言われて顎に手を当て考えるリズ。彼女の姉は何も言わず、妹を横目で見ているだけだ。 「では、改めて自己紹介をしますね。俺はケイト・マクスウェル。鍛冶屋です。」 「…ああ、ミラ様を助けてくれた君か!懐かしい。随分大きくなったな!」 納得がいったようで、ケイトの肩を叩きながら笑い飛ばすリザイア。そして自分の用事を思い出す。 「君になら頼みやすいな。武器を新調したいんだ。頼めるかい?」 「ええ、喜んで。」 それから三人でケイトの家を目指して森の中を歩く。話を訊けば、昨日今日とリザイアは非番らしい。そこで姉から聞いた鍛冶屋に行くつもりだったとか。
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