鍛冶師ケイト・マクスウェル

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「う~ん、今日のうどんは少し失敗したかな。つゆの味濃かったし。」 洗い物をしながら今日の朝食の反省をするケイト。その後ろ姿を見ているリザイア。うどんが気に入ったようで、レシピを訊こうと機会を伺っている。結構近い距離にいるため、ばっちりとケイトの呟きも聞いている。そして驚くのだ。あのよくわからない朝食はもっと美味いのかと。そんな妹のことなど露知らず、姉はのんびりと茶を飲んでいる。 「さて、本題に入りましょうか。」 「あ、ああ。」 洗い物を終えたケイトは、早速本題である武器についての話を始める。こうなってしまってはリザイアはうどんの作り方なんて訊けない。とはいえ、訊いてもリザイア自身、料理をまったくしないのであまり関係は無いのだが。 「と、その前に。」 出鼻を挫かれるリザイア。すみませんと一言謝ってから言葉を続けるケイト。 「俺は一人になってからまだ、武器に関しては修理しかしていません。武器製作を依頼された人に対しては必ず次の質問をしようと思っています。 貴方は何のために武器を振るいますか?」 「簡単なことだな。私は騎士。国に仕える者だ。国のために剣を振る。」 一切の迷いなく、ケイトの目を見てそう告げた。その様子を見て満足そうにうなずくケイト。 「はい、わかりました。では、今度こそ本題に入ります。普段使っている剣は、腰に着けているその剣で間違いないですか?」 「ああ。長年使っていたが、さすがに壊れそうだからな。」 そう言って剣を抜いて見せたリザイア。ケイトは剣を受け取り、その剣の全体を眺める。
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