鍛冶師ケイト・マクスウェル

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「この剣は片手で使います。もう一方の手には盾や短剣を持って下さい。俺は盾を薦めますが。」 「わかった。練習しておこう。」 「では、次こそお金の話に移りましょう。」 「そうだな。そうしよう。」 ケイトは未熟な自分は人様から大金をもらうことができないと言い、対するリザイアは王都の鍛冶屋にも引けを取らないできだと言い最初に提示された金貨一枚よりも多い金額を払おうとする。暇な女子は何か面白い物はないかと辺りを物色している。 「では、金貨一枚と銀板が三枚ということで。」 「ふむ。君がそれでいいと言うなら私は何も言うまい。」 ふと、カウンターで遣り取りをしているケイトの目に驚く物が飛び込んできた。この部屋の隅に適当に積んでいる荷物をあさっている女子だ。この荷物は元々炭を入れていた木箱である。女子がこれをあさっている事が問題ではない。いや、問題ではあるのだが、それよりもケイトは不安定な荷物の下部をあさっていることが問題だ。 「バッカ!」 驚くリザイアを尻目にカウンターを飛び越えて女子をとっ捕まえるケイト。荷物に背を向けて女子を庇った途端、荷物が崩れた。木のぶつかり合う乾いた音が部屋に飛び交う。 「ケイト君!?」 最後に長い棒のような物がゆっくりと倒れて、 「いてっ。」 ケイトの頭に当たった。無事な事を証明するように、リザイアにヒラヒラ手を振る。視線は腕の中で頭を抱えて目をギュッと瞑っている女子に向けられている。 「怪我ないか?」 頭を軽く叩いてもう安全であることを教えてやるケイト。
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