第一章Ⅲ contract《契約》

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「えー、海外から入学した生徒が入学式に間に合わなかったため、少し遅れて転入してくると前に伝えたが、今日からその生徒が転入してくることになった。入ってきなさい」 「はい」 担任に呼ばれ、ドアが開けて転入生が入ってくる 少女だった。後ろで纏められた長い金髪、血のような真紅の瞳、透き通るような白い肌、そして小学生のような身長。全体的に目を引く容姿という感想を抱く少女だ 少女は教室に澄んだ声を笑顔で響かせた 「今日から皆さんと学ぶことになりましたセラス・F《フォーリンゲル》・ヴィーバルトです。どうぞよろしくお願い致します」 「席は……九里村の後ろだな。一番後ろの空いてる席だ」 「はい」 クラスの空気が凍り付いた。当然だろう。誤解ではあるが海外からの転入生の至近距離に『町一番の問題児』たる九里村翔人が座っているのだから 『もしも何も知らない転入生が彼の怒りに触れてしまったら……』と。彼からしてみれば誤解でしかないわけだが、それを知らない周りからしてみればハラハラものである
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