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「とりあえず話の続きはまた明日しようぜ。もう家着いたし」
「そうね。頭の整理をちゃんとつけときなさい」
翔人は『じゃあ』とセラスに言ってやれやれと思いながら家に入った。そして自分の部屋に入り、制服から私服に着替え、台所に行き、茶を淹れ、座敷のちゃぶ台の前に座り、茶をすすり、ホッと一息ついた
「………で、なんでいるんだお前は。ちゃっかり茶までいれて」
「ふぅ~………やっぱ日本茶はいいわねぇ」
「いや、聞けよ」
「あ?あぁ。私こっちに家ないし、泊まるから」
「嫌だよ。なんでお前を泊めなきゃならん」
「親戚だから」
「いや、親戚じゃないだろ。さっき自分で言ったじゃねぇか。だいたい母さんたちになんて説明する気だよ」
「あぁ。その点は平気よ」
セラスがそう言うとちょうど『ただいまー』と翔人の両親が帰ってきた。翔人はこれでこの訳がわからない吸血鬼ともおさらば出来ると思ったがその考えは甘かった
開いていた座敷の襖から顔を覗かせた翔人の両親はセラスを見るなり翔人の期待とは真逆の反応した
「あらっ。セラスちゃんじゃなぁい!ゴメンねぇ、迎えに行けなくて!」
「いえいえ。おばさんたちの手を煩わせるわけにはいきませんから」
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