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セラスは心底嬉しそうにニヤリと笑う
「魂の形は近ければ近いほど契約したときの力は高まる」
セラスは翔人へと、二千年越しに生まれた自分と同じ形の魂を持った人間に手を差し伸べる
「力を貸せ、魂の同型者よ。お前の力が必要だ」
翔人はちゃぶ台に肘をついて手を見ていたが、ため息を一つつくと彼女を見据えて返事を返した
「死んでもイ・ヤ・だッ!」
それを聞くと彼女は手を下げてやれやれといった具合に首を振った
「だろうと思ったよ」
「俺は確かに人助けはよくする。だけど自分が出来ることだけだ。そんなよくわからないファンタジーなことにまで首を突っ込めない」
「ま、そうでしょうよ。私がその立場なら間違いなく断るしね」
「………どうするんだ?これから」
「しばらくここにいるわよ?私は別にアンタと契約するのを諦めた訳じゃないしね」
セラスはニコリと笑うと立ち上がり、座敷を出てキッチンの方へ行くのを見送った翔人は改めて入れ直した茶をすすり、これから始まる突然自分の日常に割り込んできた非日常との生活を想像し、深いため息をつくのだった
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