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その後、九里村家にセラスは住み、翔人とどうにか契約して自分の体探しに協力させようと奮闘した
まずはベターな媚売りに始まり、脅迫、買収、色気、催眠、洗脳など考えうるありとあらゆる方法を行い、はてには土下座までした彼女だったが、翔人が首を縦にふることはなく、何だがんだで一ヶ月が過ぎた
そんなある日のこと。チャイムが鳴り、教師が『では今日はここまで』と言うと委員長が『起立。礼。ありがとうございました』とはきはきとした口調で言い、それに合わせてクラスの生徒も『ありがとうございました』と言って授業が終わった
最近、翔人はセラスのおかげで学校内で怖がられることが減り、気が楽になっていた。まだ顔のせいで怖がられたりすることは多々あるが、前と比べたら格段にマシなものである
今の授業が最後の授業だったので帰ろうと思い、翔人は帰り支度を整えながらセラスに声をかけた
「おーい、セラー。帰るぞー」
「んー」
セラスはこの一ヶ月でここでの生活に慣れ、翔人の幼なじみの黒川西和、青田澪とも仲良くなって最近は四人一緒に帰るのが日課になっていた
翔人が支度を終え、カバンを持って後ろを見ると彼女はまったく何の帰り支度もせず席についたまま肘をついて窓の外を見ていた
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