6人が本棚に入れています
本棚に追加
「さっさとしろよ?二人とも待ってるだろうから」
「うーん………それなんだけどさぁ。今日は三人で帰っててくれない?」
「用事でもあんのか?」
「まぁ、ちょっと野暮用が、ね」
「そうか。わかった。二人にはそう伝えておく」
翔人はそう言って教室の外で待っている。二人と合流して学校を出た
彼は玄関を出て自分が先程まで居た三回端の教室の方を見ると彼に気付いたセラスが微笑みながらヒラヒラと手を振っているのが見えた
「翔人ー早くー」
「おいてくぞー」
「あ、あぁ」
二人に急かされて翔人は帰路に立った。だが、二人と馬鹿話をしても家に着いて一息入れてもセラスのことが妙に気になった。頭から離れなかったのだ。彼女が別れ際に見せたどこか儚げなあの微笑みが
◇
セラスが帰ってこない
翔人は自分が彼女のことを心配していることに自分自身不思議だった。今まで鬱陶しく、契約を迫ってきたセラスだったが一ヶ月の間、一緒に生活するうちに情がうつったらしい
それはそれとして彼は帰ってこないことに疑問を感じていた。『用事がある』と言って少しの間いなくなることは一ヶ月のうちに何度かあったが、遅く帰っても五時には家にいる彼女が今は夜の七時をまわっても帰ってこないのだ
最初のコメントを投稿しよう!