プロローグ 死にたがり

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「危ない!!」  俺は自然と体が動いていた。  車道に出ないように、俺は少女に飛びついた。  条件反射だったのでどうなってしまったのか分からない。  俺と少女は重なり合うようにして何度か回転。  背中に強い痛みを感じ、ふと目の前を見ると、俺はその少女の両腕を押さえ、その上に馬乗りになっていた。  俺と少女は目をあわせる。  また死ねなかった……。 「なっ」  少女は驚いていた。  まずい。はたから見れば俺がこの少女を襲っているように見えなくもない。 一秒で辺りを確認。 ここは普段人通りが少ないわけではないが、幸い誰も気づいていないようだ。 車の中から警察に通報した人がいたなら話は別だが。  少しだけ安心したが、これで俺の勘違いなら俺の人生が終わる。 「なんで」  少女は泣きそうな顔になっていた。  えっと、違うんです。
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