プロローグ 死にたがり

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 誰もがそんな人間を知っているだろう。 何を言っているのか分からない人間。 同じことをしているのに何度も失敗する人間。 いじめられても仕方がないと、他人が認める人間。  俺はそういう類の人間である。      正直、生きていても楽しくない。  学校で毎日つまらない授業を受け、クラスメイトに弄られ、今日も一日行かないほうがよかったと帰路に着く。 友達はもちろんいないので、何かすることもない。 かといって家でも居場所はない。 死んでいるのとまったく変わらない。
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