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「…や、ちょっ、ちょっと待って…!」 「え?」 「せ、せめて、このDVDが終わるまで」 「……美琴、そんなに好きだったの?」 「そうじゃないけど……、でも――」 美琴が何故か慌てていると、ソファに座ったままのミカが、くすくすと笑いだした。 「残念だけど、今日は美琴ちゃんの負けかな」 「…は?」 訳が分からずに眉を寄せる俺に構わず、今度はリカが口を開く。 「よく頑張ったんだけどなぁ。 また来週、リベンジしてね」 「………はい」 シュンとして項垂れる美琴。 対するミカとリカは、上機嫌。 …負けとかリベンジとか、一体何なんだ。 「……美琴?」 俺が呼ぶと、彼女はハッと顔を上げて、慌てたように取り繕う。 「…え、と。 私、今日はこれで……」 「俺の部屋、行くよね」 視線をさまよわせて鞄を手に立ち上がる美琴に、有無を言わせない笑顔で言った。 …帰してやるわけないだろう。 .
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