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棺の中を覗くと、そこに彼は横たわっていた。
白装束……おめぇには似合わねーよ。
目を閉じたその顔はまるで生きているようで。
今にも起きて、いつものように罵倒してきそうで。
「…おめぇ、そんな無防備な顔、俺の前だけにしとけよ。」
涙さえでない。
思考が停止。
「本当、バカな人でさァ…」
いつの間に横にいた沖 田が呟いた。
「でも…使命はまっとうしたんでさァ」
「そうか…あいつらしいな…」
「らしい…ですか。
…涙もでねぇや。」
「うん、同じだよ、俺も。」
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