序章-王子の思い-

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 伝説の神話、レーヌ・ルーナの物語りがその世界には根付いている。月の王女が空から落ちてきたその日から、世界は何度も何度も同じ事を繰り返し、そして時代を作っていった。  王女はいつも金髪金目で生まれ、黒髪と漆黒の瞳を持つ彼女を守る人と出会う。そして、王女一人一人の物語は進んで行くのだ。伝説にある通り、落ちてきた月をドラゴンから奪い返し、その後平和な時を過ごす物語を。  だが、その物語に終止符を打つ者が現れた。彼の名はレーヌ・ルーナ。男として始めて金髪金目で産まれた者。月の王女の称号を持つ王子。  彼の人生という物語は、最初から伝説を外れ、そして時と共に世界を変えていく。  彼を人は男として産まれた月の王女―リュヌ―と呼ぶ。  そして、彼の物語は始まった。
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