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部屋からでて
んーっ
と背伸びをした。
僕以外にもぞろぞろと部屋から出てくる。
一体何人この施設に人がいるのか…
僕は、大勢の人の波に釣られていつの間にか食堂に着いた。
…てか、食堂に着いたは良いけどどうやって注文とかするんだろ…
すると、突然後ろから声をかけられた。
「あ、あの。すすすみませんっ!」
振り返ると、そこにはメガネをかけた小柄な女の子がいた。
「僕?」
女の子はコクリと頷いた。
「あ、あの。私、昨日ここに来たばかりで、食堂来るのも初めてなんです。えと、どうやって注文すればいいんでしょう?」
それは僕が聞きたいことなんだけどね。
「念のため聞きますけど…」
「はい?」
「女…ですよね?」
「えっ!?」
彼女はパッチリした大きな目を更に大きく見開いた。
「あ、ごめんなさい!あの、男に見えるとかじゃ無いんですけど…。友人にそういう人がいるんでつい…」
「あ…、そうなんですか。正真正銘女ですよ?」
「ですよね!…すみません」
「いえ、あの、それより…注文…………。」
戸惑ったような表情で訴えてくる彼女。
「あー、それなんだけど…」
せっかく声をかけてくれたのに。
「実は、僕も昨日ここに来たところで…。食堂も今日初めてなんですよね…。力になれなくてごめんなさい。」
また彼女は驚いた顔をした。
「えっ?そうだったんですか!わあっ!嬉しい!私の他にも新入りさんがいたんですねっ!なんか、安心しちゃいましたあ。朝食一緒してもいいですかっ?それより注文の謎を解かないといけませんね!」
早口であまり聞き取れなかった。
けど、喜んでるように見えた。
彼女は
すみませーん。
と言って他の人に注文の仕方を聞いていた。
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