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亮夜「ガチで?」
亮夜はそう言ってる間にフランに押し倒されていた。
フランは歪な形をした刀を振り上げる。
フラン「ガチで。」
そう言うとフランは刀を振り下ろした。
膝より少し上のところからスパッと。
斬られたところに強烈な痛みが走る。
亮夜はその場にうずくまった。
亮夜「止血、止血っと…。」
亮夜はそう言うと斬られた足の止血を始めた。
自分の体から離れた足はまるで別の生き物のようであった。
フラン「中が見たいなんて言わないよな?」
フランは亮夜を見下ろして言った。
亮夜「言いません。言いません。」
亮夜はそう言うと壁を使って立ち上がると出口の方に向かって歩いて行った。
フラン「……見せないわけじゃないけど。」
亮夜「でも、またどっか斬られるんですよね?もう嫌になってくる。それにもしかして見せたくて見せたくて仕方がないのか?さっきから!!」
亮夜は強めに言う。
フラン「……。」
亮夜「じゃ帰る。」
亮夜は再び自室に帰ろうとする。
フラン「…待って!!」
亮夜は立ち止まってフランを見る。
フラン「あ、足のことお姉様に言うの?」
亮夜「言わなきゃダメだろ。労働災害だ。治療費ぐらい出してくれるだろ。」
フラン「わ、私がやったってこと黙ってて。」
亮夜「断る。『急に左足無くしました。』なんてあり得ないだろ。」
フラン「ドアの向こう見せてあげるから!!」
亮夜「見せたいだけだろ!!」
フラン「……うん。」
亮夜「……。ドアの向こう側は置いといて、何で黙ってなきゃいけないんだ?」
フラン「これ以上お姉様に嫌われたくないの……。だから!!」
亮夜「ぷふっ!」
フラン「ふぁ?」
亮夜「いや、さっきまではツンケンした喋り方だったのにいつの間にか変わってる。それが素ですか?」
フラン「……うん。」
亮夜「はいはい、分かりましたよ。黙っててあげます。」
フラン「なんかバカにされてる気がする…。」
亮夜「そんなこと。で、見せてくれるんですよね?」
フラン「うん!」
そう言うとフランはドアを開け中に入っていった。
亮夜も頑張って中に入る。
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