幻想入り。

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暫くするとメイド服を着た女性がやってきた。 ?「貴方が紅魔館で働きたいって言う青年ね。」 亮夜「その前に、ここはどこですか?」 ?「あら、まずは自分の名前を名乗るものよ?」 亮夜「…社守亮夜です。さ、教えてくださいよ。」 ?「紅魔館よ。」 しれっと言いやがる。 亮夜「…それは知ってる。美鈴って人から聞いたし…。そうじゃなくてこの土地がどこかってこと。」 亮夜は呆れたように言う。 咲夜「私の名前は十六夜咲夜よ。よろしくお願いね。亮夜くん。」 言葉のドッヂボールである。 亮夜「紅魔館の人はみんなコミュニケーション不足なのか…?」 亮夜は疑いの目で咲夜を見る。 咲夜「大丈夫よ。ちゃんと説明してあげるわ。」 少女説明中… 亮夜「な…なるほど。」 大半の事は理解が出来なかったようだ。 咲夜「理解が早くて助かるわ。貴方みたいな外来人ばかりだといいのだけど。」 亮夜「まだ信じられないけどな。妖怪だの吸血鬼だの。」 逆にそれ以外も分かってない。 咲夜「あら、さっき貴方が会話していた美鈴は妖怪よ。」 亮夜「うわぉ。」 呆気にとられる亮夜。 理由は言わない。 咲夜「それよりもお嬢様のところにご挨拶に行きなさい。今日からここで働くのだから。」 亮夜は疑問に思っていることがあった。それはなぜ自分がこの屋敷で働くことになっているかだ。 答えは簡単。美鈴って人の早とちりが原因である。 しかし、亮夜はこう考える事にした。 『ここで働いているうちに幻想郷のことを理解出来るかもしれないし、何より外の世界に帰る方法も見つかるかもしれない』と。 そんな事を考えていると紅い屋敷の玄関まで来ていた。 咲夜と言う人がドアを開ける。 内装は外の真っ赤な様子とは違い、至って普通の洋館のようであった。 咲夜の後をついて歩いているとメイド服を着た羽の生えた人が数回すれ違った。 亮夜「今さっきのは……もしかして妖精?」 咲夜「そ。もしかしなくても妖精。」 そんな会話をしていると、咲夜はあるドアの前で立ち止まり亮夜の方を見た。 咲夜「こちらにお嬢様がいらっしゃいます。くれぐれも失礼のないよう。」 そう言うと咲夜はどこかに消えた。
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