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春の暖かい風が背中を押し
長い上り坂を駆け上がる
桜の香りが鼻を擽り、思わず笑みがこぼれてしまう
僕、天童 尊は
これから始まる新生活に
胸を踊らせていた
「…今年こそ友達作るんだっ」
そう意気込んで
また走り出そうとしたとき
「っ…てぇなぁ」
どっどうしよう
ふっ不良っぽい人にぶつかっちゃったよ…
とっとりあえず
謝った方がいいよね…
「あっとそのごっごめんなさいっ」
僕はあたふたしながら何とか謝る
だっ大丈夫だよね?
なっ殴られたりしないよね
そう心の中で被害妄想を繰り広げていると
不良っぽい人は僕をじっと見つめ
手を差し出すとそのまま動かなくなった
えっと…何がどうなっているのだろうか…
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