0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「シス王子に呼ばれて来た。通してもらえるか?」
「少しお待ちを。」
一人のメイドがそう言うとシス王子の部屋に入って行った。
私はひとつため息をついた。
久しぶりで緊張している。
少ししてからさっきのメイドが戻って来た。
「どうぞ、お入り下さい。」
私はメイドに一礼してから部屋に入って行った。
ここだけの話、メイドや執事達使用人、そして王と王子以外の王族達に私は歓迎されていない。
過去にない女騎士、そのうえ王族の側近。
あまりいいこととは言えないのもわかる。
騎士とは男がなるもの…女は主婦でいるべき…というのが普通だ。
でも私は気にしてなどいない。
私は実力でこの座を掴んだのだ。
恥じる訳がない、むしろ誇ることだ。
そして彼の側にいれるのなら…。
部屋にはもう一枚扉があった。
私は扉をノックした。
《落ち着け、私。》
「ロゼか?入れ。」
ロゼ…彼はいつも私のことをそう呼んでいる。
「はい。失礼します。」
私は扉を開けた。
最初のコメントを投稿しよう!