待ち焦がれていた笑顔

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「シス王子に呼ばれて来た。通してもらえるか?」 「少しお待ちを。」 一人のメイドがそう言うとシス王子の部屋に入って行った。 私はひとつため息をついた。 久しぶりで緊張している。 少ししてからさっきのメイドが戻って来た。 「どうぞ、お入り下さい。」 私はメイドに一礼してから部屋に入って行った。 ここだけの話、メイドや執事達使用人、そして王と王子以外の王族達に私は歓迎されていない。 過去にない女騎士、そのうえ王族の側近。 あまりいいこととは言えないのもわかる。 騎士とは男がなるもの…女は主婦でいるべき…というのが普通だ。 でも私は気にしてなどいない。 私は実力でこの座を掴んだのだ。 恥じる訳がない、むしろ誇ることだ。 そして彼の側にいれるのなら…。 部屋にはもう一枚扉があった。 私は扉をノックした。 《落ち着け、私。》 「ロゼか?入れ。」 ロゼ…彼はいつも私のことをそう呼んでいる。 「はい。失礼します。」 私は扉を開けた。
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