Introduction

11/11
前へ
/86ページ
次へ
異母兄ルシア。 今の僕を構成する重要人物の一人。 たまにこの屋敷を訪れるけれど、基本的に放浪者で行方知れず。 その気になれば、ヴァンパイアの貴族たちを統べる事だって簡単にできただろうに。 ある事件をきっかけに、彼は俗世から離れた。 その舞台となったのはこの屋敷。 きっとあの悲劇をまだ忘れられないんだろう。 いや…… 忘れたくないからこそ、僕にここを管理させているのかもしれない。 僕がこうしてロゼットとここに住んで、どれくらいになるだろう? こんな穏やかな日々が、後どれだけ続いてくれるんだろう? 僕とルシア兄さんの出会い。 僕とロゼットの出会い。 それらは、僕が父親に忌み嫌われ地下牢に閉じ込められた、あの瞬間から定められていた運命だったんだろうか?
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

84人が本棚に入れています
本棚に追加