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異母兄ルシア。
今の僕を構成する重要人物の一人。
たまにこの屋敷を訪れるけれど、基本的に放浪者で行方知れず。
その気になれば、ヴァンパイアの貴族たちを統べる事だって簡単にできただろうに。
ある事件をきっかけに、彼は俗世から離れた。
その舞台となったのはこの屋敷。
きっとあの悲劇をまだ忘れられないんだろう。
いや……
忘れたくないからこそ、僕にここを管理させているのかもしれない。
僕がこうしてロゼットとここに住んで、どれくらいになるだろう?
こんな穏やかな日々が、後どれだけ続いてくれるんだろう?
僕とルシア兄さんの出会い。
僕とロゼットの出会い。
それらは、僕が父親に忌み嫌われ地下牢に閉じ込められた、あの瞬間から定められていた運命だったんだろうか?
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