血と薔薇の夜想曲

Chapter1 忌み嫌われし者

まずは元人間のヴァンパイアたちの総称、ロイン。
血を吸われ、さらに自分もヴァンパイアの血を与えられれば、契約成立。
その人間はヴァンパイアになれる。

大抵は、人間が言うところの犠牲者――ヴァンパイアはトールと呼ぶ者――になるんだから、選択肢としてはありなのかもしれないね。

ただしヴァンパイアの血を得るのは相当難しい。
それはそこにいた当人の気まぐれによって執り行われるからだ。

それに、たとえロインとして仲間入りしても、その地位は最下位。
多くのヴァンパイアから“成り上がり”だと蔑まれるのが一般的だ。

僕の母のようにね。