Chapter1 忌み嫌われし者

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じゃあそろそろ僕の実家について話すとしよう。 ブリストル家はヴァンパイアを束ねる六貴族の一つ。 伝統ある家には当然家訓というものがある。 その中の一つにこんなものがある。 “家の継承者はジェネインでなければならない” そのためヴァリーである僕に継承権は存在しない。 それに僕が生まれた頃、既に家の継承者として異母兄ルシアがいた。 僕がブリストル家を背負う理由など、どこにもない。 ブリストル家の一員として恥じないレベルであれば、それでよかった。 父の言いつけを守っていれば、それでよかった。 あの運命の日を迎えるまでは――
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