84人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
太陽が沈み、月が昇る頃――
大抵この時間に僕は目を覚ます。
昼に眠り、夜に生活を営む。
別に眠る必要はないんだろうけど、太陽の光を浴びるリスクを考えれば、自然とこうなった。
そう。
僕はヴァンパイアだ。
血や生気を吸って生きる、歴とした魔物だ。
太陽の光を浴びるだけで、この身体は焼け焦げて、灰になる。
十字架やニンニクも苦手だ。
さて、普通のヴァンパイアと同じなのはここまでだ。
同族から見れば僕はかなり例外に属している。
だって僕は、血族に代々伝えられる呪われたヴァンパイアだから――
.
最初のコメントを投稿しよう!