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何を考えたのか、ロゼットの体温の僅かな上昇が伝わってきた。
「わ……わかりません」
口にはしたくないらしい。
仕方ないね。
「僕はキミさえいればそれでいい。今まで何度も言ってきたはずだよ?」
「かっ、からかうのはおやめください」
「からかってないさ。現に僕は……」
ロゼットの手を取り、僕の方に向き直させる。
僕の顔を見た彼女が目を見開いた。
その理由は僕が一番よく知っている。
「あまり余裕がないんだよ」
お腹が空いている事は否定しないけれど、僕がやろうとしている事は吸血行為じゃない。
それなのに僕の瞳は赤く輝いている。
別にロゼットを食糧として見ているつもりはないけど……
欲 シ イ ――
僕はロゼットの顎に手をかけた。
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