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兄貴の機嫌をどうやってとろうか頭を悩ませていたら、兄貴がソファーの隣に座ってきて俺の右手に左手を重ねてきた
ドクンッ
「っ……」
やばいっっ
繋がれた手から兄貴の少し高めの体温が伝わってくる
予想外の接触に心臓が痛いくらいに波打つ
「陸…さっきすごく喜んでたね…刹那くんが僕たちを見分けてくれた時……気持ちはわかるんだけど…わかるんだけど、さ………
僕と同じはきらい?」
弱々しい声音に兄貴に目をやると兄貴はそのいつも笑顔を絶やさない顔を歪ませ今にも泣きだしそうだった
「そんなわけない!俺は兄貴と双子であることを誇りに思ってる!!」
「お、れ?……あ…兄貴?」
「あっ…」
ヤバッ…兄貴が泣きそうだから焦ってつい素の口調で言っちまった
兄貴の疑いの目からは逃れられない
もう白状するしかない、か…
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