3696人が本棚に入れています
本棚に追加
廊下に出ると、一輝は自分を落ち着かせるように大きく息を吸い込んだ。
そして、直ぐ隣の取り調べ室に目線を移した。
取り調べ室の扉は、常に開けてある。
今は、参考人としての事情聴取となるため、完全に扉を閉めてしまうと、軟禁状態にされた...と、逆に訴えられる場合があるからだ。
だが、中からは話し声が何も聞こえてこない。
ママンは、自分を待っているのだ。
一輝は、両頬を数回叩いて気合いを込めると、「失礼します」と、言って開いた取り調べ室の扉をノックした。
.
最初のコメントを投稿しよう!