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「大事なこと...」
自分の手帳にメモを取りながら、一輝は顔を上げた。
『動機よ。殺人だとすれば、誰かが和彦さんを殺したいとまで思う理由があったんでしょ?』
「確かに」
ですが...と、一輝は返した。
「何か動機があるにせよ、なぜ犯人はあんな大勢の前で毒殺なんかを試みたのでありましょうか。他人に容疑を向けるのが目的ならば、もっと違う方法だってあったはずであります」
『そうねぇ。それはアタシにも解らないけど、きっとそれは犯人の動機に繋がりがあるんじゃないかしら』
そう言ってママンは、顎を擦りながら上方を見上げた。
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