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「...と言いますと?」
『あの会場に、なぜアタシがいたかわかる?』
首を右側に傾けてママンが尋ねると、一輝は手帳を数枚ほど捲り、文字を指でなぞりながら呟いた。
「山の蔵で出されることになった新酒の契約...と、聞いてたのでありますが...」
『その通り...新酒の契約がどうしても欲しかったのよ。でもね、きっと他の人だって同じ気持ちだったと思うわぁ』
「まぁ、それはそうでありますね」と、一輝も素直に頷いた。
「ですが、それと動機になんの関係が.........あっ」
まるで頭の先に電球が現れたような一輝の反応に、ママンは笑みをこぼした。
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