容疑者

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『アタシは...しばらく拘留されるのかしら?』 席を立ち上がる一輝に問いかけると「残念ながら...」と、首を左右に振った。 「ですが、課長に相談してみます」 『お願いね。カラフルもアタシがいないと、ミカン一人に任せることになっちゃうわ。ミカンに重荷を背負わせるのは...かわいそう』 そう言って目尻をおさえる仕草をすると、一輝はいっそう慌てていた。 ミカンのことになると必死になるのを知っているママンは、あえてそう話したのだ。 狙い通りの反応だった。 「それは大変でありますっ」と、言って一輝はその場を立ち上がった。 『あっ、ちょっと待って』 部屋を飛び出そうとする一輝をママンは呼び止めた。 .
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