容疑者

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『あのね。あなたたちは、もう一つ大事なことを忘れてるわぁ』 「えっ?」と、いうように一輝は振り返ると、ママンは何も置かれていないデスクを指でトントンと叩いた。 『どうして警察は、こんな大事なことを忘れるのかしら』 ママンの顔は、真剣そのものだ。 「な、なにかあるのでありますか?」 首を傾げる一輝に、ママンは『とっても重要なことよ』と、呟くと両頬を膨らませた。 『カツ丼がまだ出てきてないのよ』 .
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