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「――全く! なんだってんだこりゃあ!」
そう叫びながら汗がとめどなく吹き出るほどの熱気に覆われた砂漠を併走する二人の男がいた。
男の一人は薄汚れた着物と腰に二本の刀を差したサムライ。
もう一人はウェスタンシャツとジーンズ姿で腰のガンベルトに砲金色の眩しい拳銃を収納したガンマン。
「だからいったじゃねぇか。もう少し慎重に行動しろってさぁ」
「うるせぃ! そんな事、今更いったってどうしようもねぇだろが! いっちょやってやるしかよう!」
砂漠を併走しながら啀み合うサムライとガンマン。
しかしそんな二人の視線の先で急に砂が盛り上がり、まわりの砂を巻き込むように一気に巨大な何かが上昇する。
「グォォォオン!」
二人の面前に現れたのはまるで巨大化した芋虫のような化物であった。
その化物の皮膚は砂漠と同じ黄金色に包まれ、更に上昇したその身の天辺から見下ろすような姿勢で巨大な口を広げ、大量の唾液を砂漠にボタボタと垂れ流している。
どうやらこの化物、二人を餌と認識してるらしい。
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