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「おいおい、こりゃあちょっとしたピンチだぜぇ。こんな化け物相手にどうしろっていうんだい」
「へっ! 相手にとって不足なし! だろ?」
「だろ? じゃあねぇだろ。全く……」
またまた啀み合いそうな雰囲気を醸し出す二人。
しかしその二人めがけ、その巨大な体ごと化物の口が急降下を始める。
そして激しい轟音と共に辺りの砂を撒き散らす。
その場に巻き上がる砂塵。
その砂塵が消え始め……開けた視界の先には刀に手をやり構えを取るサムライの姿。
そしてサムライの男からカシャンという鞘に刀身の収まる音が鳴り響いたとき。
上空から二人に襲いかかってきていた化物の身と思われし物が両断され落ちてくる。
そして、その身が完全に落下すると同時に大地を揺るがすような重い響きが砂漠に広がった。
「全くやれやれだぜ」
サムライから少し離れた位置でガンマンが拳銃を二つ構えながらそう述べた。
ガンマンの構える銃身の先には、化物の上半分が横向きに転がっている。
その身には貫ぬかれたような銃痕が何個も刻まれていた。
「全く余計なことをしやがって。こんなのは俺一人で充分なのによぉ」
サムライの男がそんな強気なセリフを吐いた。
「へいへい、わかりましたよ。次がでた時には全て旦那にまかせるさぁ」
頭のハットに手をかけながらヤレヤレといった感じで言葉を述べるガンマン。
その時、二人を中心に周りの砂が何箇所も盛り上がりはじめる。
「おいおい、おらぁ何だか嫌~な予感がしてきたぜ」
その嫌な予感が的中するがごとく、砂の中から先ほどの化物が何体も姿を現す。
「あはは……おらぁ約束は守るたちでさぁ、ここは旦那一人に任せるよ」
「ちっ! 上等だ! 最高じゃねぇかこの緊張感はよぉ!」
困り果てたように呟くガンマンに強気な台詞を吐くサムライ。
一見全くこの場にそぐわない二人が……
何故、今このようなピンチに陥っているのか……
その理由を探るには、少し時を遡る必要があるようである……
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