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俺が家の門を開けると、すぐ横に翔吾がもたれて待っていた。
「遅い。」
「ごめーん♪」
「行くぞ。」
「…はい。」
翔吾はやっぱり朝からクールだった。
(俺…翔吾とクラス離れんのかな?)
ちょっと寂しい気がした。
別に家が近いからいつでも会えるのに。
「クラス…」
「え?」
俺がそんな事を考えていると、翔吾が口を開いた。
「今日だな、分かるの。」
「…あぁ、そうだな」
「…一緒、だといいな…」
「…ぶっ!」
まさか翔吾からそんな言葉が聞けるとか思っていなかった俺は、思わず吹いてしまった。
「な、なんだよ!」
「いやっ、翔吾でもそんな事思ってくれてるんだなぁーと思って。」
「…くそ!お前なんか離れて清々するわ!」
「バーカ!まだ分からねぇよっ」
朝から仲良しこよしな俺たちを、近所のおばちゃん達はニコニコしながら見送ってくれた。
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