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十話
私と山中さんは
車で夕凪の家に向かった。
警察の許可もとり、
立ち入ることを許された。
何度か訪れたことのあるそこは
夕凪がいない今では、
ただの寂れた廃墟だった。
何故か涙がこぼれた。
そして、勇気を振り絞って、
家に入った。
私はそこで、
今まで知らなかった夕凪を見つけた。
写真。写っているのは、
夕凪と…
シラナイオトコ…
夕凪はそいつの横で
笑顔を見せている。
男は十八歳から二十歳といったところだ。
夕凪はいったい彼と
どんな関係だったんだろう。
考えれば考えるほど、
背中がゾクッとして、
嫌な気分になった。
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