十話

1/1
前へ
/18ページ
次へ

十話

私と山中さんは 車で夕凪の家に向かった。 警察の許可もとり、 立ち入ることを許された。 何度か訪れたことのあるそこは 夕凪がいない今では、 ただの寂れた廃墟だった。 何故か涙がこぼれた。 そして、勇気を振り絞って、 家に入った。 私はそこで、 今まで知らなかった夕凪を見つけた。 写真。写っているのは、 夕凪と… シラナイオトコ… 夕凪はそいつの横で 笑顔を見せている。 男は十八歳から二十歳といったところだ。 夕凪はいったい彼と どんな関係だったんだろう。 考えれば考えるほど、 背中がゾクッとして、 嫌な気分になった。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加