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3話
次に気がついたとき、
私は病院のベッドの上にいた。
「大丈夫ですか?」
目を開けると、
男が私の顔を覗き込んでいた。
「キャーっ!!」
思わず私は彼の頬を
しばいた。
「った…」
彼は頬を押さえて、
「なにするんだ!!」
と言った。
「あんた誰よ!」
「俺は山中空だ。警視庁捜査一課課長を勤めている。君は登校中に友達が目の前で…」
「そうよ!夕凪はどこ!?」
「夕凪!?ああ、花岡さんは…
亡くなったよ。交通事故で…」
「え…」
「記憶ないのか?君達が登校しているときに、大型車が突っ込んできて、君が引かれそうになった時に、花岡さんが…」
「嘘でしょ…」
私はその場に立ち尽くした。
そして、泣いてしまった。
大声で、彼の胸の中で。
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