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六話
…そういえば!!
「山中さーん!ちょっといい?」
「え?なんだい?」
「ちょっと連れて行ってほしいところがあるの。車出してもらえるかしら?」
「そりゃ、別にいいけど…。」
私たちが向かったのは…
孤児院だった。
夕凪は小さいころに母親を亡くし、父親は事故死したと聞いていた。
だから、この孤児院になにか秘密があるのではないかと思ったのだ。
「こんにちはー!!」
「いらっしゃい…、あーら、あの夕凪ちゃんの友達の…。」
「亜弥音です。ご無沙汰しています。」
「そうそう!一回だけ夕凪ちゃんと二人で来てくれたのよね。
何年ぶりかしら…。」
「そうですね、もうかれこれ四、五年前じゃないですか?」
「そんなに経つかしら?じゃあ、夕凪ちゃんとあなたはもう、中学生なの?」
「はい、おかげさまで。
それでおばさん、今日聞きたいことがあってここに来たんですが…。」
「あら、どうぞどうぞ、何かしら?あと、そのお隣の方は?」
山中さんは警察手帳を見せてこういった。
「警視庁捜査一課課長の山中と申します。今日は花岡夕凪さんについてお伺いしたいことがあって来ました。」
おばさんの顔が一瞬こわばった気がした。
「…夕凪ちゃんに何かあったのですか?」
「まあ、それなりに…。」
「…わかりました。立ち話もなんですし、中に入ってお話しいたしましょう。亜弥音ちゃんもね?」
「はい…。」
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