七話

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七話

「いったい夕凪ちゃんに何があったんですか?」 「率直に言わせていただきますと、夕凪さんはお亡くなりになりました。」 「嘘っ…」 「でね、おばさん、夕凪が昔からずっと持っていた、七色のポシェットがあるじゃない?あれって、夕凪とどういう関係があるの?」 おばさんは少しためらったようだったが、すぐ話はじめてくれた。 「あれはね、夕凪ちゃんの本当のご両親が、唯一残した形見みたいなものなの。だから肌身離さず持っていたのかもね。」 「けどね、おばさん、夕凪亡くなる二日前くらいに、それを私にくれるって言い出したんだ。そんなに大切なものなのに…」 山中さんも 「それはおかしいな。両親の形見みたいなものを、そう簡単に人にあげられるわけがない。」 と言った。 私はますます不思議になった。 夕凪が亡くなる前後にいったい、なにがあったんだろう。 私はおばさんにお礼を言って、 夕凪の家に行くことにした。
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