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私は、大好きな彼を殺してしまった。
それが、日野 響。私達の会話に出てきた人物だ。
響は私と同じ歳だった。
好きになった理由は、私を私として見てくれたから。財閥の娘とかじゃなく、普通の女の子として見てくれたから。
皆からしたら意味不明でしょ。
でもね、私は、そのことがとても嬉しかったの。
私自身でも思うんだけど、単純だよね。
そんな響を・・・私は・・・
「・・・っ」
涙が・・・
「亜里亜・・・」
こんな惨めな私に心から心配してくれて る人がいるなんて・・・
私は、未紗に迷惑をかけぬようこっそり と涙をふいて顔を上げた。
「ごめんね、もう大丈夫!」
って言いながらも頭の中は響の事でいっ ぱい。
また流れそうになった涙を必死でこらえ る。
視線を感じたので私は未紗の方を見た。 そしたら未紗は、おっきい目をさらに見 開いてこっちをじーっと見ていた。
「ど、どうしたの?」
「亜里亜・・・我慢してる。」
「え・・・」
「泣くの我慢してる。」
「!!」
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