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「ちっ」
敵がいないのを確認し、影次は舌打ちをした。
楽しむな、命懸けを……
「とりあえず街へ行こう」
「了解」
街への道中、狼みたいな獣やスライム(仮)を倒し、収集しておく。
宝石が出たのは最初の一個だけだった。
何回か戦いをしたあと、影次が不思議そうにしていた。
「そういえば、ここに来てからいつもより体が軽く感じるんだよね、俺」
異世界転移物のよくある主人公補正みたいなものだろうか?
確かに狼みたいなやつと平気で戦ってるしね。
実際私もこの刀のおかげかわからないけど、力が溢れてくる感じはするし。
「私も何となくそう思うよ」
影次の言葉に同意しておく。
その後は獣道から街道に出たせいか、モンスターはほとんど出なくなった。
どのくらい歩いただろう。2時間くらいかな。
目の前には石壁に囲まれた街。
私達が歩いてきた方角には入り口が無かったので、30分くらい壁伝いに歩いて、ようやく見えた街の入り口。
「門番はいないのか」
いやいや、城じゃないから。
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