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それは、断末魔をあげた。
「ギィヤアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「まだ死なぬか。早く死んでくれ、五月蝿い。」
男は悶え苦しむそれを躊躇なく切り殺した。
それは、赤黒く、ドロドロとした液体を、絶え間なく垂れ流す。
「日が落ちる…。」
男はソレから何かを抉り取り、ショルダーバッグの様な黒い袋に詰め込んだ。
男の肩には、金色の眼をギョロリとかっ開く梟が佇んでいる。
「アテナ…」
何処に呼び掛ける訳でもなく、男は声を発した。
そして、世界はブラックアウトする。
「…ハヤク……ハヤク…アテナ…無事で…。」
男の声はただの雑音となり消える。
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