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「ふぁああ・・」
「あ、母さんもう起きても大丈夫なのか?」
「なぁに、昨日は徹夜にも及ぶ引越しの準備を押し付けられた挙句、今日はきっかり5時にパパに起こされたけど何も問題ないわよ~」
「起きて早々嫌味かよ。そういうのは、あそこに延びてる親父様に言ってくれよな。・・ってか何したんだ?」
「んふふふ」
まぁ、大方母さんの熟睡中に騒いで半殺しにでもされたんだろう。
自業自得だよなほんと。
「ほらほら真、もう見えてきたよ!」
「っかし、何も変わってねーなぁ。ここからでも良くわかるよ」
ー南瓜生島ー
日本海側に面する離れ小島の一つ。
人口2000人にも満たないこの島の平均年齢は50歳近くで、主な産業は投網を中心とした漁業
という社会的にも経済的にもあまり世間から注目されてはいない。
っていうか知ってる人いんのか?
まぁ、それはともかくとしてデパートはもちろんの事コンビニ、スーパーの普及率は最悪。
そもそも需要そのものが皆無なため、買い物をするには島唯一のスーパー、オオタで済ませるしかない。
じゃあ店から遠い人はどうするんだ。ってか?
その心配も皆無。
なんせ自転車で1時間とばせば島一周悠にできる程の規模だからな。
そんな南瓜生島ではあるが、何も悪いことばかりではない。
島の人間は皆昔堅気で情深く、来るもの拒まず去るもの逃がさない精神な為、観光客や新たな移住者にも温かく接してくれるとの事。
まぁこんな辺鄙なとこに観光客が来るかのかは些か疑問ではあるが。
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