大という名の天才

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やっと高校生だ。 滝川優貴は飛び跳ねる気持ちをおさえ、永青学院高等学校の門をくぐった。 絶対、都大路で優勝してやる。 そう決めて、駅伝の名門、永青学院をえらんだ。 全中出場経験ありも、声をかけられなかった。 だからあえて受験という道を選んだのだ。 1年は5組。 この中には、中学時代ライバルだった2人がいる。 三方大地は1組。 星宮海斗は5組。 そして俺は3組。 全中入賞の2人をまず抜かさないことには、都大路に出場すらできない。 掲示されている名前をにらんでいると、 後ろから声がかかる。 「俺らの名前にらんじゃって。こわいって。」 考えれば影、星宮と深田である。 「おぅ。」 適当に挨拶を返しておく。 なんだよー、と2人が言っているが無視。 陸上部の監督に挨拶をしなくてはと職員室にむかう。 下を向きながら歩いていると、 ドンッ 人にぶつかってしまった。 顔を上げるとそこには人垣が。 しかも女子ばかりの。 「なにごとだよ」 そう呟き、 人垣をかき分ける。 すいませーん、 そう言って前だけを見ていると、 いきなり手首を掴まれ、とんでもないスピードで引っ張られた。 「ちょっと?」 「お願い、たすけて。」 相手は身長160くらいで可愛い顔してるけど、 紛れもない男子。 そいつがかなりのスピードで優貴を引っ張りながら階段をのぼっていく。 開放されたのは 最上階、屋上にでてからだった。 謎の少年はしっかり扉の鍵をしめてはぁー、とおおきく、 ため息をついた。
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