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「ゴメンね、ほんとに。いやー、俺、先行き不安だわ。3年間すごせっかな。」
謎の少年は息を切らすでもなく、
優貴に謝ってきた。
優貴が、?マークを浮かべていると、
「あ、俺、3組になる藍原大。よろしくな?」
屈託のない笑顔で手を差し出された。
が、優貴の頭の中では目の前の藍原大と、ひそかに中学陸上界では伝説となっている藍原大をかさねていた。
優貴の知っている
藍原大は、2年ながらもその年の高校Bestを叩き出し、
都道府県対抗駅伝ではぶっちぎりの区間新、
しかし3年時はまったく出てこなかった。
しかし沢山のランナーは大を天才だと称していた。
そして、自分の憧れでもあった。
その、藍原大が、こいつ・・・?
会えた嬉しさと、イメージとちがうという落胆が同時に交錯する。
「あー、ごめん。握手、嫌いだった?」
悪いな、という気持ちが全身から滲み出ていた。
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