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気がつくと
手紙を握り締めて
外へ飛び出していた
エレベーターを待つ余裕もなく階段を駆け下りる
全力疾走でマンションを出て
駅の方へ向う
途中で通った真っ暗な公園
ふとベンチに人影が見えた気がした
急いで引き返し
その人影に近づく
「小山。」
俺が話しかけると
その影はビクッと跳ねた
「やまびー、、。」
暗順応した目で見ると
やはりそれは小山だった
「ごめん、おれ、、」
"帰るね"と言った小山は
ベンチから立ち上がり
俺に背をむけた
「待てって!」
その腕を掴む
がすぐに振り払われた
「何で追いかけて来たの!?俺はヤマピーにあんなこと言ったのに?」
そう言う小山の声は震えてた
そして目から涙があふれている
もう一度小山の腕を取った
バフッ
「えっ」
強張る小山の身体を
きつく抱き締める
そしてずっと言えなかったことを言った
「俺もお前が好きだ。ずっと前から。」
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