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さて、ここも手筈通りにやりますか……。
すこしでも、私の恐怖を和らげる為にね……。
「くふふふふふ……さぁ、残酷な一夜の始まりです」
この町に住んでいる人間は、私の調査以降に増えていなければ二百五十人。
その内に二百四十九人が死ぬことになりますねぇ。
「さて、と……この中で一番復讐心の強い子は誰でしょう?」
選定はいつも慎重に決めるのですが、この街では少し惹かれる子供がいます。
ショット=アームズ=ヴェンデッタという少年……実に面白い。
自らの名に敵討ちを冠するとは……まさに今回の出来事に相応しいではありませんか……。
「福音よ来たれ」
これでショット……彼を守る結界が生じたはずです。
もっとも、いま彼がどこで何をしているのかは知りませんが、ね。
あとは、いつも通りの手法で街を壊す。
それだけです。
「できるだけ、苦しまないように送らせて戴きますよ……」
町の時計台が鐘を鳴らしましたね。
作戦開始です。
「未来を奪う絶望の業火よ……町を焼き尽くしなさい」
街は火の海へと変貌を遂げる。
さて、これで生存者は彼を除いていないでしょうね。
後は彼に姿をお披露目して帰還しましょう。
できるだけ、屈辱的に詰って私に復讐心を抱けるように、ね。
一瞬、凄まじい速さで私の脳内を映像が駆け抜けた。
そうですか……私の町壊しも、今日で終わりですか……。
最小の被害に留められたと、思いたいですね。
「さぁ、道よ開け!
そして私を運ぶのです」
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