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「あのさぁ、たった一人の女子いじめて楽しいか?」
ヤツらが一斉に振り向く。
「あぁ?誰だよお前、いじめてなんかいねーよ。ただコイツの日記を見せてくれって言っただけだし。」
ボス格のヤツは仲間とヘラヘラと笑いながら言った。
イラッ。
こいつ、何で今笑えんだよ。
「君らバカ?日記なんて普通見られたくないでしょ。しかも見せてくれって言っただけなのに、なんでお前が手にもってんの?」
ヤツの手にある日記を僕は指差し、出来るかぎりドスを効かせた声で吐き捨てる。
「うるせぇ、お前には関係ねぇだろ!!しかもコイツ俺達のことバカって言ったよな!?ぶん殴ってやろーぜ!!」
ヤツに乗せられて仲間達も殴り掛かってきた。
僕は黙って右腕を強く、速く振る。
「足元がお留守だよ。」
ビュッ!! バシィッ!!
「うわッ!?」
一番先に前に出てきた男子の足を払った。
そいつはそのまますっころび、床に勢い良く倒れ込む。
掃除の時のホウキを持ってたままで良かった……。
僕が武器を使ったと同時にヤツら急にオドオドし始めた。
「ホウキなんか振り回したら危ねぇだろ!!それに卑怯だぞ!!」
「何、ビビってんの?黙ってまとめて掛かって来なよ。それに、一人の女の子を数人で囲んで物取ったヤツらに言われたかない。」
そして僕は日記を持つボス格の手を一閃。
「うぐっ……!!」
すぐに彼女はヤツが手落とした日記を拾い、僕の後ろに隠れるように回り込んだ。
丁度この時──
「コラァ、お前達何してる!?」
──ここのクラスの担任の先生が来た。
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