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◇
その後僕と悪ガキ共は職員室送りとなり、こっぴどく叱られた。
「もうホウキなんか振り回すなよ。危ないからな。」
「……はい。」
まぁ、そんなダメ出し喰らってももうすぐこの学校からいなくなるわけだし、どうでもいいや、あの子を助けることもできたし。
そんなこと考えて校門を出て帰ろうとすると──
「あ、あの……。」
──さっきの日記の子がいた。
「どうしたの?」
「さ、さっきはありがとう……ございました。」
少し目線を逸らし、モジモジしながら頬を赤らめてお礼を言うその姿に、思わずドキッとする。
しかもさっきは気付かなかったが、かなり可愛い。
ちょっと背が高く、黒くて長い髪の毛のてっぺんがアホ毛みたいにチョンッとはねてる。
「そ、その……名前教えてくれますか?」
言葉遣いも丁寧だな。
「陽上 鋼也(ヒノカミ コウヤ)だよ。」
「陽上君、よろしくお願いします。その……良かったら一緒に帰りませんか?」
・・・・・・・・・・
この学校最後の帰り道くらい一人で帰るよりは誰かと一緒の方がいいよね……たぶん。
「──うん、よろしく。あ、僕のことは鋼也で構わないから。じゃあ、帰ろっか。」
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