全然わからない

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ひたすら走った 屋上へと、アルフレッドの元へと 待たせてはまた機嫌を損ねるだろう そうなればバラされる…! 屋上の扉を開けた時目に入ってきたのは金網のフェンスと青空だった 探したがアルフレッドの姿がない ため息をついた時ちょうど授業終了のチャイムが鳴って一旦教室へ戻ることにした 階段を降りると教室棟なので自然と1、2年の教室の前を通る そこで見知った顔があったので話しかけようと口を開き声を出す寸前 アルフレッドと彼女がイチャイチャしている 彼女が甘えた声を出し腕を組む それに苦笑いをしながらさせたいようにさせたアルフレッド なんとなく、胸がチクチクした気がした 開いた口を閉じて踵を返す 帰りたい そうだ、体調が悪いと言って帰ってしまおう どうせあとどれだけ休もうととやかく言われやしないだろう 教室に入るとやっぱりギルベルトの姿はなくフランシスとアントーニョが机の上でぐったりしていた 「あーっ坊っちゃん!サボりなんてズルい!」 「せやで!プーちゃんもおらへんし…二人でサボりはあかんで」 能天気な二人の言葉に返す言葉が見つからない ギルベルトを傷付けた アルフレッドを見て傷付いた あの時のキスも、あの横顔も 期待した俺が馬鹿だった よく考えてみろ 彼女持ちだって言ってたじゃないか 女には不自由してないとも アイツは全てを兼ね備えた美青年で彼女は美少女 最初から分かってたのに俺は…俺は何を期待していた?
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